9月は防災月間で、9月1日は「防災の日」です。
地震や台風などの災害は、ほんとうにいつどこで起きてもおかしくありません。
私の住む地域も「災害が少ないから大丈夫」と思っていたのですが、2024年の能登半島地震でその考えがガラッと変わりました。
特に衝撃だったのは断水。
水がないだけで、飲み水はもちろん、料理や歯磨きなど、当たり前の日常が一瞬で崩れてしまいました。
それまでは「うちの地域は水に恵まれてるし、ストックしなくても平気」と思っていたのに、この経験で初めて「水の備蓄って本当に大事だ」と痛感しました。
でも「実際どれくらい備えればいいの?」って、正直よく分からないですよね!?
この記事では、私自身の経験を振り返りながら、防災用に必要な水の目安や、無理なく続けられる備え方をご紹介します。
1.なぜ水の備蓄が大切なの?

災害が起こると、ライフラインの中でも特に「水道」が止まるケースは少なくありません。実際に震災では、発生直後から断水し、数日から数か月にわたり水が使えなかった地域もあります。
能登半島地震での断水は、被災地域によって復旧時期が大きく異なりましたが、全体として「3か月以上」、被害の被害た珠洲市など一部地域では「4か月以上」続いたケースもありました。
水は飲むためだけでなく、食事を作ったり、歯を磨いたり、手を洗ったりと、暮らしのあらゆる場面で欠かせないものです。
中でも特に不便だったのが「トイレ」。水がないと適切に処理ができず、普段の衛生状態を保つことさえ難しくなります。
防災というと、「防災食」ばかり目がいっていましたが、震災でトイレが盲点になっていたことに気づき、水の必要性を実感しました。
人は食べ物がなくても数日間は生きられるといわれますが、水がなければ生命の維持そのものが難しくなります。だからこそ「水の備え」は、防災対策の中でも最優先といえるのです。
2.目安となる備蓄量は?

では実際に、どれくらいの水を備蓄しておけば安心なのでしょうか。
厚生労働省や内閣府が示す目安は 「1人1日あたり3リットル」。
この3リットルは、飲料用がおよそ2リットル、調理や最低限の衛生用に1リットルという内訳です。
最低でも3日分、できれば1週間分を備えておくことが推奨されています。
私の場合は一人暮らしなので…
1日分:3リットル × 1人 = 3リットル
3日分:9リットル
7日分:21リットル
こうして計算してみると、一人といえども、意外と大きな量が必要になることが分かります。
「ちょっと多いかも?」と思うかもしれませんが、断水が長引いたときに命を守るためには欠かせない備えです。

私の場合は7日分を目安に備蓄しています。
3.実際の備え方の工夫


必要な量が分かっても、いきなり数十リットルの水を用意するのは大変ですよね。
そこでおすすめなのが、無理なく続けられる「工夫」を取り入れることです。
■ ペットボトル水をケースでストック
スーパーや通販で手に入る2リットルのペットボトルを、ケース単位で購入しておくと管理しやすくなります。
筆者の場合はペットボトルを箱買いし、備えています。2リットルのペットボトルが6本入っているので、入れ替えのたびに2ケース購入するようにしています。
とはいえ、最初から箱2個分をそろえるのはスペースの確保も大変。
まずは最低3日分から、少しずつ増やしていくのがおすすめです。
■ ローリングストック法を活用
備蓄している水の賞味期限が近づいたら、普段の生活で飲用や料理に使い、その分を新しく買い足す方法です。
「消費しながら補充」できるので、気づかないうちに期限切れになる心配が少なくなります。
特別なことをしなくても、普段の生活に取り入れるだけで自然に備蓄が続けられるのがメリットです。
■ 長期保存水を組み合わせる
また、最近は保存期間が5年〜7年の「備蓄専用水」も市販されています。
普段使いの水とあわせて保管しておくと、買い忘れや管理の手間を減らせるのがメリットです。


筆者は飲用用に無印良品の「長期保存水」を備蓄しています。
500ミリリットルサイズなので、防災リュックにも入れやすく、持ち運びにも便利なコンパクトさが気に入っています。



ふるさと納税を利用すると、
お得に防災用品などを揃えることができます。
■ 便利アイテムも一緒に備える
水そのものの備蓄に加えて、災害時に役立つ道具も用意しておくと安心です。
たとえば、断水時に水を運ぶ「給水袋」があると、スーパーのペットボトルや井戸水も簡単に運べて便利です。
また、雨水や川の水を飲めるようにする「携帯浄水器」も備えておくと、万が一水の供給が長期間途絶えたときでも安心です。
こうした道具は普段あまり使わないからこそ、いざという時に備えて少しずつ揃えておくと、災害時の不安をぐっと減らせます。
4.置き場所のポイント


せっかく水を備蓄しても、置き場所が悪いと劣化や期限の管理をうっかり忘れてしまいます。
そこで、覚えておきたいポイントを紹介します。
■ 適切な場所に保管する
水は直射日光や高温を避け、温度変化の少ない場所で保管することが大切です。
私の場合、押し入れなど目につきにくい場所だと忘れてしまうので、キッチンのコンロ下に置いています。
普段から目に入る場所に置くことで、入れ替えや賞味期限の確認も忘れずにでき、管理がぐっとラクになります。
■ 収納は複数にわけて取り出しやすく
水はまとめて一か所に置くより、複数の場所に分けて保管すると、災害時にさっと取り出せて便利です。
例えば、寝室や玄関、普段から使う防災リュックなど、すぐ手に取れる場所に置いておくのがおすすめ。
こうしておくと、いざというとき慌てずに必要な分を取り出せ、家族みんなの安心にもつながります。
防災の第一歩は「水の備蓄」から
防災の日は、いざというときの備えを見直す絶好のチャンスです。
災害時は断水が長引くこともあり、水は飲むだけでなく、調理や手洗いなど衛生面でも欠かせません。
少しずつでも備えておけば、いざというときに慌てず安心して過ごせます。
防災の日をきっかけに、まずは水の備蓄から始めてみるのがおすすめです。

