市販のだしの素やめんつゆ、レトルト食品には頼らず、
できるだけイチから手作りする——
かつての私は、そんな手間ひまを惜しまない「丁寧な暮らし」に憧れ、実践してきました。
けれど50代になり、暮らしが大きく変わる中で、
「本当にこの暮らし方は、今の自分に合っているのかな?」
そう思うようになりました。
特に40代後半からは、体力の衰えを感じる場面も増え、
丁寧すぎる家事が、知らず知らずのうちに負担になっていたことに気づきました。
頑張らなくても、ラクに自分らしく暮らせる。
そう思えたことで、私は「丁寧な暮らし」から卒業することにしました。
この記事では、無理をせず、心地よく暮らすために、やめてよかった「丁寧な暮らし」を紹介します。
1.料理はすべて手作り

「丁寧な暮らし」と聞くと、
昆布で出汁を取り、常備菜をいくつも用意しておく——
そんなイメージを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
筆者自身も、まさにそんな「ザ・丁寧な暮らし」を実践していました。
けれど、一人暮らしになった今、食事に求めることは「さっと作れて、無理なく続けられること」在宅で仕事をするようになり、家事にかける時間はできるだけ抑えたいと思うようになりました。
ここでは毎日の食事作りでやめた「丁寧な暮らし」をまとめます。
常備菜を何品も作る
中でも、よく実践していたのが「常備菜作り」
冷蔵庫にずらりと並んだ手作りの常備菜は、まさに「丁寧な暮らし」の象徴のように感じていました。
けれど一人暮らしでは、消費のスピードが思うように追いつかず、冷蔵庫が常備菜でパンパンになることもしばしば。
さらに、作る時間だけでなく、保存容器の管理や消費期限の確認など、見えない手間も意外とかかります。
その結果、食べきれずに処分することになり、「丁寧に作ったはずなのに、食品ロスにつながってしまった」 という本末転倒な状況になることもありました。
今は、足りないときは惣菜などに頼ることで、冷蔵庫も気持ちも、ずっとラクになりました。
レトルトや冷凍食品は使わない
以前は「冷凍食品やレトルトは手抜き」というイメージがあり、なるべく避けてきました。
毎日の食事はできるだけ手作りで…と頑張っていましたが、在宅で仕事をするようになってからは、時間の使い方をもっと大切にしたいと思うようになりました。
そこで取り入れたのが、冷凍食品やレトルト食品。
野菜をプラスしたりお皿に盛りつけたりするだけで、立派な一品になります。
買い置きしておけるので「今日は疲れた」というときにも大助かり。
「全部を手作りしないといけない」という思い込みを手放したことで、料理の負担がぐっと軽くなりました。
出汁はパックでとる
毎日、出汁を取る・手作り調味料にこだわるのをやめた
「丁寧な暮らし」といえば、
昆布やかつお節で毎日出汁を取り、調味料もできるだけ手作り——
そんなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
毎日出汁を取ったり、調味料を手作りしたりする暮らしは、
想像以上に時間と気力を消耗します。
続けられている間はよくても、余裕がない日には、それ自体が負担になってしまうことも。
けれど、市販の出汁の素や調味料でも、
今は十分おいしく、体に悪いわけではありません。
それでも以前は、「作らない=手抜き」という思い込みに縛られ、
自分で自分を追い込んでいたように思います。
今は、基本は市販、余裕があるときだけ手作り。
そんな“ゆるい切り替え”をすることで、
料理へのハードルが下がり、気持ちもずっとラクになりました。
2.「お出かけ着」と「部屋着」を分ける

以前は講師業をしていたので、スーツやジャケットといったフォーマル服が欠かせませんでした。自然と「お出かけ着」と「部屋着」を分けていました。
でも在宅ワークが中心になると、その区別はほとんど必要なくなりました。
フォーマルすぎない、ラフでシンプルな服が今の定番。
暮らしに合った定番が決まると服の数も自然に減り、クローゼットもすっきり。何より「今日は何を着よう?」と迷う時間がなくなって、気持ちまでラクになりました。
衣類はアイロンが不要なものを選ぶ
以前は、講師などもしていたので、シャツやブラウスをきちんとアイロンがけして着ていました。
けれども、洗濯のたびにアイロンをかけるのは時間も手間もかかり、忙しい日には大きな負担。
気づけば、アイロンがけがストレスの種になっていました。
そこで少しずつ「アイロンいらずの服」を選ぶようになりました。
洗濯後に軽くシワを伸ばして干せば、そのまま着られるカットソーやポリエステル素材が今の定番になりました。
見た目のきちんと感は損なわずに、毎日の手間がぐっと減り、気持ちも軽くなりました。
3.毎日、床掃除・拭き掃除をする

床掃除や拭き掃除を毎日欠かさず行うことも、私にとっては「丁寧な暮らし」のひとつでした。
家のきれいは保てるけれど、どこかいつも掃除に追われているような感覚がありました。
毎日掃除を続けるのは、現実的に考えるとかなりハードルが高いものです。
体調や予定によってできない日が出てくるのは当然なのに、「やらなきゃ」という意識が、いつの間にかストレスになっていました。
そこで毎日の掃除をやめ、汚れが気になったときだけ掃除することに。
実際にやめてみると、 床掃除は毎日でなくても、週に2〜3回で十分清潔だと気づきました。
一人暮らしでは、意外と汚れはたまらないものです。
今は、気になったときにサッと掃除することで、気持ちにも余裕が持てるようになりました。
布巾はやめてウェットシートを使う
以前はお気に入りの布巾を何枚か持ち、洗って天日干しをしていました。
これが意外に手間のかかる作業で…
だけど、どれだけ丁寧に手入れをしても、布巾を洗ったあとの独特の臭いが気になっていました。
一人暮らしになったのを機に、思い切って布巾を使うこと自体をやめました。
今はウエットシートを布巾代わりに使っています。
気になる汚れをさっと拭いたら、そのままゴミ箱へ。
煮洗いも天日干しも不要、手間のかかっていたお手入れがなくなり、家事がかなりラクになりました。
毎日玄関の三和土を水拭き
以前の私は、三和土を毎朝水拭きしていました。
ピカピカの玄関を見ると気持ちが引き締まり、来客にも自信を持てる気がしたからです。
でも、砂やホコリはすぐに入ってくるもの。
毎日水拭きをしてもキレイは長続きせず、手間ばかりかかっていました。
そこで思い切って「毎日」から「気になったとき」だけに変えてみました。
日常はサッと掃き掃除をする程度にとどめ、水拭きは週末などに限定。
すると驚くほど気持ちがラクになり、暮らしにゆとりが生まれました。
「いつも完璧でなくても大丈夫」と思えるようになり、暮らしを無理なく心地よく保てるようになりました。
3.SNS映えを意識した暮らしをやめた

きれいに整えた部屋、手作りの食事、丁寧な日常。
当時、圧倒的に人気があったのは「丁寧な暮らし」系の投稿。
最初にとあるWEBサイトのアンバサダーになった頃は、そんな「理想の暮らし」を強く意識しすぎていたように思います。
次第に、写真を撮るために暮らしているような感覚になり、それがつらく感じるようになりました。
いつの間にか暮らしが、自分のためではなくランキングを上げるための「見せるためのもの」になっていたのです。
他人の目や評価を基準にしていると、気づかないうちに心は疲れていきます。
「そこまで頑張るのは、自分らしくない」
薄々、感じていたこともあり、続けるのがしんどいというのが正直な気持ちでした。
今はSNS映えを意識するのをやめ、自分らしい暮らしに戻りました。
肩の力が抜け、ぐっとラクになった——
そう思えるような穏やかな毎日を過ごしています。
「何かを手放す」と、暮らしはラクになる
思えば、「丁寧でなくちゃ」と思っていた頃は、自分で自分を追い込んでいたのかもしれません。
でも今は、便利なものやシンプルな習慣を取り入れることで、暮らしがずっとラクになりました。
“暮らしを軽くするには、何かを手放すこと”。
当たり前だった家事を手放してみると、心も体もラクになりました。
